ショパン 舟唄

 ショパンの舟歌は1845年に作曲され、1846年ドイツとフランスで出版されました。

 1845年ショパンとジョルジュ・サンドは、まだ良い関係だったと思われます。
 ショパンはほとんど毎夏ジョルジュ・サンドと一緒にサンドの実家ノアンで暮らしていました。その年の9月、ショパンは仕事のために何日間もパリへ行きました。その時1人残ったジョルジュ・サンドがショパンへ次のような手紙を書いています。
 Love me, my angel, my whole happiness, I love you!
 George
 Nohant, 9月20日

 なので、このバルカローレは愛のメッセージといえるでしょう。
 ショパンはヴェネツィアに行った事はありません。ですがジョルジュ・サンドは前の恋人である詩人 アルフレッド・ド・ミュッセと共に訪れていたので、ショパンはジョルジュ・サンドからヴェネツィアの夢のように美しいイメージを何回も聞いたのでしょう。
 この舟歌のインスピレーションはジョルジュ・サンドであり、2人の間に問題があっても、この曲では理想的な愛を描いています。

 舟歌(バルカローレ)というと、西洋ではベネツィアのゴンドラ漕ぎの歌から由来しているものが多く、通常は2拍子系の8分の6拍子で書かれています。このショパンの舟歌は4拍子系の8分の12拍子で、ノクターンに近い曲想となっていて、ベネツィアの夜の風景が浮かびます。またスケルツォやバラードのような物語的な音楽になっており、2人の愛を語っているようです。

「舟歌」であり「夜想曲」であり「愛の歌」であるショパンの「舟歌を」お聴きください。
 この演奏は「Helfereiでのコンサート」で演奏された、リヒャルト・フランク先生の演奏です。
 音楽に合わせた映像も合わせて、お楽しみください。

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