第7曲「子守歌」は、穏やかなバルカローレ風の音楽、小波のようなトレモロ風の伴奏に乗せて、テノールとソプラノが対話する様に歌う美しい曲です。
飼葉桶に眠るイエスさまのために、マリア様が歌う子守歌でしょうか。
リストの長女のブランディーヌは12月18日、次女のコジマは12月24日に生まれました。
12月に生まれた娘のために、リストが奏でた子守歌でしょうか。
コジマには5人の子どもがいます。
ハンス・フォン・ビュローとの間に1860年にダニエラ、1863年にブランディーヌ
リヒャルト・ワーグナーとの間に1865年にイゾルデ、1867年にエヴァが生まれます。
みんな女の子です。
そして1869年6月6日、ジークフリート・ヘルフェリッヒ・ワーグナーが生まれます。
待望の男の子です。
「クリスマスツリー」を書き始めた1874年、ジークフリートは4歳の男の子です。
この小さな男の子が「子守歌」を書く刺激となったのでは、とフランク先生は考えておられます。
小さなジークフリートは、リストが奏でるこの美しい子守歌を聴いて育ったのでしょうか。ジークフリートの性格は極めて温厚で円満であったと言われています。
ちなみに、ジークフリートはワーグナーの後継者として使命感を持ち、作曲家、指揮者、演出家として活躍しました。作曲家としては多作で、オペラの作曲数は19にも及びます。指揮者、演出家としても有能でバイロイト音楽祭を支え、ドイツ各地でも巡演を行いました。
それでは、第7曲「子守歌」聴いてみてください。
2021年10月31日 三和レコーディングスタジオ録音
Primo:稲垣杏花
Scondo:リヒャルト・フランク
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